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省力化しながら技術力を保つことは簡単ではない(Shin)

日本の産業の強みといえば「ものづくり」ですが、そもそも、ものづくりにおける技術力は、どういった要素で構成されているのでしょうか。

私は、以下の通りだと思います。

 

ものづくりにおける技術力=生産設備の性能(1)×使用する労働者のスキル

生産設備の性能(1)=生産設備の性能(2)×使用する労働者のスキル

生産設備の性能(2)=生産設備の性能(3)×使用する労働者のスキル

 

ということで、技術力の原点は、労働者のスキルになります。

 

ですが、日本がこの強みを維持していくのは非常に大変です。

それは新興国の技術力の台頭といった外部要因だけでなく、人手不足という内的要因が深刻だからです。昔は、大量に労働者がいたからこそ、その中から技術力の高い人がたくさん出てきたわけですが、少子高齢化が進んだ現在の日本では、高スキル労働者の数も減ってくるのは当然でしょう。 

そこで、この問題を解決するためには、①省力化の推進か、②高スキル労働者の割合を増やす、という2つの方向性が考えられます。

 

ですが、②は現実的な解決策とは言えないでしょう。それは、労働者のスキルとは属人的なものであり、それを簡単に多くの人に共有する事は難しいからです。(だからこそ、強みになります)

労働者がスキルを高めるには、専門学校等で基礎を身につけた後は、現場で難しい製品をたくさん作って経験値を高めていくしかありません。

 

そこで、①が妥当な解決策になります。

ですが、省力化といっても、簡単に製造プロセスを自動化できるわけではありません。自動化をして今までと同レベルの製品を作るためには、設備を使いこなす労働者が必要になるからです。具体的には、高いプログラミング設計能力を持つ人材が必要になります。

つまり今の日本は、こういった人材を長期的に育成するべきなのです。

(※私が述べているプログラミング人材とは、IoTとかセキュリティといった分野の人材とは全く異なります) 

 

省力化が進んだとしても、日本から職人的な能力を持つ人が必要なくなるわけでなく、専門スキルが異なってくるという話なのでしょう。

 

以上です。

 

Shin