S&Kのブログ

世の中の思い込みを検証していくブログ

ハードウェア業界こそが世の中を変える(Shin)

先日、こんな記事を読みました。

wisdom.nec.com

これは、1983年に郵政省がまとめた報告書において示された、「将来の家庭における情報化のイメージ」についての分析記事です。

 

「当時の人が、テクノロジーの発展による生活スタイルの変化を、どのように予測していたのか」について知ることは、今後を予想するうえで非常に参考になると思います。その中で、記事の作者が以下のように分析していた点が興味深いです。

では、違和感があるのはどこでしょうか。

ひとつは、健診・教育・バンキングなど、それぞれの目的別にハードウェアがあることです。実際には、家族それぞれが、様々な用途に用いることができるスマホタブレットを使っています。

 

当時の人は、オンラインでの銀行、通販、教育、テレビ電話などを別々のデバイスで使用すると予想しています。でも、実際はスマホの中で全てを行うことができるようになりました。

これは現代においても、当てはまります。例えば、VRはヘッドマウントディスプレイを頭に着けないといけず、ARはスマホやスマートグラスで体験する段階ですが、いずれはVRもARもメガネ型の端末に集約されていくかもしれません。ただ、ソフトウェアに関しては目的別に分かれることに変わりないです。その点で、ハードウェアメーカーは先見性がないと生き残りにくいのではないでしょうか。

ゲーム業界においても、ハードメーカーは常に新しい端末を考えださないといけませんが、ゲーム機と携帯電話が集約されることを予想するのは難しかったでしょう。一方で、マリオやゼルダのようなIPは、機器の壁を越えて利用することが可能です。

 

これは言い換えると、「ソフト」と比較して「ハード」の進化がまだまだ足りていないということなのかもしれません。IT産業によって生活が大きく変わったという意見もありますが、やはり、ハード業界が生活を変える力には勝てないのではないでしょうか。ARデバイス再生可能エネルギー、5G、iPS細胞など、ハードの世界にはまだまだ発展の余地があります。

しかし、莫大な投資が必要となる点がこの業界の問題です。最近では、技術系ベンチャーイノベーションを主導する事も多くなりましたが、依然としてハードの技術系ベンチャーは資金繰りに苦しみやすいです。

 

では、技術系ベンチャーへの投資を主導するアクターは誰であるべきなのでしょうか

次回は、「企業ではなく政府こそが、真のイノベーション力を持っている」という趣旨の本を紹介したいと思います。

 

以上です。

 

Shin