従順であるな、されど素直であれ(Koara)
「人の話は素直に聞きなさい」
というのは昔からよく言われる言葉です。親御さんからさんざん言われたという方もいるでしょうし、小学校から高校、大学までの間にも、割と聞くことになるフレーズだと思います。自己啓発本のようなものにも多く取り上げられていますし、社会に出てからも研修などで耳にする方も多いかもしれません。
私自身、素直であることはとても大切なことだと思います。特に他人からアドバイスをされたときや、指示されたときに、頭から否定するのではなく、とりあえずやってみるという姿勢は好感を持たれるでしょうし、人生の幅を広げてくれるでしょう。
「素直さ」は人生を楽しむ上で大切なポイントの一つだと思います。
自分の頭で考える??
ところで
「他人の意見に従うばかりでなく、自分の頭で考えろ」
というのもよく聞く話です。特に
「最近の若者は指示を待つばかりで自分から動こうとしない」
「言われたことはできるが、それ以上はできない」
などというフレーズは就活生や新入社員の方なら聞き覚えがあるのではないでしょうか。別に若者に限らなくとも、「YESマン」とか「腰ぎんちゃく」といった言葉は昔からあるわけで、人の意見に従うだけの人が揶揄される傾向は世代問わず、ずっとあったのでしょう。(若者が指示待ち化している、というのが正しいかどうかはさておきます。個人的には別に世代によるものではないと考えていますが。)
もちろん、自分の頭で考えるのもとても大切なことです。こんなことはいちいち書くまでもなくみなさん同意していただけると思います。
どちらも大切
素直であることと自分の頭で考えることはどちらも大切です。ですが、この二つを両立させるのはそんなに簡単ではありません。
「人の意見を聞き、アドバイスに従いつつも、自分の頭で考え、行動する」
こんなことができれば、周りに反感を持たれることもなく、さりとて 優柔不断だと思われることもないでしょう。
しかし、実際はこんなにうまくいかないことが多いです。
素直に生きようとしても、人から言われるアドバイスや、ネット・テレビ・本で見つかる情報はいくらでもありますし、種類も様々です。お互いに対立するような意見もたくさんあります。すべての意見に耳を傾けていたら、脳みそがパンクしてしまうでしょうし、とても実行不可能でしょう。
ではどうすればよいのか?
ではどうすればよいのでしょうか?
実は「素直に生きること」と「自分の頭で考えること」は矛盾しません。二つを両立させるのに必要なのは、割り切って自分本位になることです。
「え、自分勝手に生きろってこと?」
と思われたかもしれません。ですが、ここで私がお伝えしたいのは決してそういうことではありません。例えば、誰かにアドバイスされた場合に私がお勧めする方法を箇条書きでまとめてみました。
- 何かアドバイスされたら、できるだけ先入観を捨てて聞いてみる。
- 聞いてみたうえで、できる範囲で理解しようとしてみる。
- そのうえで自分に必要かどうか考える。
- 必要だと判断したら取り入れる
上の1と2と4は「素直さ」に関係する部分です。何か言われたらとりあえず先入観を持たずに聞いてみて、いいと思ったら取り入れます。そして3が「自分の頭で考える」という部分です。もらったアドバイスが今の自分にとって必要かどうか、自分で考え、そこまで必要ないと思ったものは潔く捨ててしまうのです。
アドバイスをもらえるのは確かにありがたいことです。ですがもらえるもののうち、本当に自分に必要なのはおそらく一部でしょう。それを越えて取り入れようとすると、結局自分がしんどくなってしまうのではないでしょうか。
いらない部分はとりあえず忘れて、いるものだけ活かす。それが私の思う割り切った自分本位の生き方です。
「素直」なのは素晴らしいことです。ですが周りの意見や情報をすべて吸収しようとするほど「従順」である必要はないのです。
特に悩んで、情報を求めているときには従順になりがちです。ですがそういうときほど必要なのは、落ち着いて自分も見つめなおすことだったりします。
良い意味で割り切って「自分本位」に生きるのも人生を楽しむコツではないでしょうか?
次回は私がこういったことを考えるにいたったある体験についてお話したいと思います。
Koara