S&Kのブログ

世の中の思い込みを検証していくブログ

スマホゲームにはまる理由(Shin)

みなさん、スマホゲームをやったことはありますか?

パズドラやモンストのDL数が4000万を超えているように、多くの人が経験者だと思います。中には、課金をする人も存在し、人によって数十万円もお金をつぎ込みます。また、中国や韓国で流行っている戦争ゲームだと、百万単位の課金者も存在します。

「たかがゲームにそんなにつぎ込むなんて意味わからない!」と思う人もいますが、背後には、個人の意思の弱さでは片づけられない問題があります。

 

1、スマホゲームにハマる理由

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それは、「手っ取り早く自分の成長を感じることができ、課金をすることで成長速度を確実に増すことが出きる」という性質です。これは、スマホゲームの本質的な価値です。

現実では、あらゆる面(勉強、スポーツ、仕事、恋愛など)で、短期的に成果を出すことが難しく、また、努力や投資したお金に見合った結果を得られないリスクがあります。

一方、スマホゲームでは、始めた当初はレベルをサクサク上げることができるうえ、課金で手に入るレアアイテムを使うことでステージを大幅に進めることが可能です。他のプレイヤーとの差も広げることができます。その上、プレイヤーを成長させるための道筋が明確です。これは非常に快感ですよね。

RPGのような育成ゲームも性質は似ていますが、例えば、ドラクエやFFなんかを見ると育成にかなりの時間を要します。スマホゲームは成長にかかる労力を極限まで減らしているのです。また、大乱闘のようなアクションゲームは、スポーツに近く、試行錯誤しながらスキルを向上させることが求められます。

 

2、スマホゲームの問題点

で、このようなスマホゲームの本質的な性質が問題になります。それは、「達成したい目標に向けて試行錯誤するという姿勢を馬鹿らしく感じさせてしまう」ということです。

現実では、チュートリアルをクリアすることで何人かの女の子と知り合い、その後は決められたデートプランで確実に好感度を上げることができ、その子に貢ぐほど彼女になる確率が高まるといった簡単な恋愛ゲームは存在しません。

先ほども述べた通り、手っ取り早く目標を達成できる方法などないのです。効率的な方法は存在しても、労力がかかるうえに、確実に成果を得られるわけではありません。そのため、スマホゲームのようなコスパの良い成長方法に浸かってしまうと、社会での生きにくさを感じやすくなってしまうのではないでしょうか。

 

もちろん、大乱闘のように試行錯誤しないとスキルを高めることができないゲームも存在するため、「どうせゲームにはまるのであれば、そのような高度なゲームを選ぶべき」というのが私の考えです。

みなさんは、いかがでしょうか。 

 

以上です。

 

Shin

働き方改革がなぜ進まないか(Shin)

以前のブログで、「働き方改革は、”業種×固定資産の大きさ”で分けて考えるべきである」と述べました。
scholar-curation.hatenablog.com


今回は、働き方改革について、人材市場の観点から考えていきたいと思います。

1、従業員の交渉力を上げるには?

従業員の労働時間を決定するのは会社ですが、従業員が交渉力を持つ方法が二つあります。一つ目は、労働組合の形で抗議を行い、時にはストライキを起こすという方法。二つ目は、労働環境が良い他の会社をいつでも選べるというシステムが整備されていること

で、私はこの2つ目の方法が非常に重要だと思います。つまり、労働市場流動性を上げることが、働き方改革を促進するのではということです。

2、労働市場流動性を上げるには?

まず、大前提としてワークライフバランスを重視したいと考える人が増えています。でも、それを理由に転職を行う人は多くないのが現状です。

その裏には、「個人に転職できるだけのスキルが身についていないから、あくまで特定の会社のスペシャリストとして育成されるから」「一つの会社で勤め上げるという風潮が以前として強いから」「転職活動が手間だから」「給料が下がってしまうから等、色々な要因が考えられます。

日本の転職市場の流動性の低さは昔から言われていることであり、最近は少しずつ改善が進んでいるものの不十分です。ですが、例えば、年功序列・長期雇用などの日本型雇用システムにはメリットも存在し、日本企業の競争力にも繋がっているため、それを完全に壊すことは現実的ではないと思います。

そこで注目すべき部分が、中途市場ではなく新卒市場です。転職市場と比べると、現状においても被雇用者(=ここでは学生)の交渉力は圧倒的に大きいです。

ですので、新卒応募者にワークライフバランスが整っている会社を選んでもらうための方法が重要になってきます。

そのためには、まず、ワークライフバランスの重要性を学生に理解してもらうことが必要です。仕事が未経験の学生にとって、どれくらいの割合で仕事とプライベートに時間を割くべきか実感がわきません。そのため、感覚的に理解してもらう事が必要であり、長期インターンは一つの有効な方法です。
次に、残業・拘束時間に関する正確な情報を学生に伝えるシステムを構築することが必要です。例えば、新卒を募集する段階で、残業時間を公表することを義務付けるといった方法が有効でしょうか。

3、まとめ

具体的な方法は色々と議論の余地がありますが、残業時間を減らすためには、ワークライフバランスが不十分な企業が新卒採用市場で苦戦する仕組みを作る」という方向性で考えることが必要かと思います。

以上です。

Shin

思い込みの活かし方(Koara)

みなさんは”ピグマリオン効果”というのをご存じでしょうか?

これは心理学の用語の一つで、「他人に対する期待が現実になる現象」を表した言葉です。つまり、「誰かに期待されると、それが本当に実現できる」というものです。

例を挙げてもう少し分かりやすく説明しましょう。例えば、サッカー少年のA君がいたとします。このとき、もし周囲が

「A君はサッカーが得意だから」

という態度で接すれば、それだけで本当にA君はサッカーが上達する、というのがピグマリオン効果です。ここで、大事なのは実際にA君がサッカーが上手なのかどうかは関係ない点です。

たとえ、今A君はサッカーが下手だったとしても、「上手いよね」とか「きっと上手くなるよね」といった期待をかけられることで、実力が上がるのです。

この効果は1960年代にアメリカの教育心理学者ローゼンタールとジェイコブソンによって検証されました。彼らは、ジェイコブソンの学校(彼は当時ある小学校の校長をしていました)の生徒によくある知能テストを受けさせます。しかし、教師たちには

「これは特別なテストで、近いうちに成績が上がる生徒を見つけ出すためのものだ」

と伝え、実際に何人かの生徒の名前を「成績が上がる候補」として教えたのです。ところが、この名前は完全にランダムに選ばれたものでした。実際のテストの成績はおろか、その時点での成績などとも何の関係もありません。

ですが、ふたを開けてみると、実際に名前を上げられた生徒たちの成績は向上していたのです。これは教師の期待が、生徒の成績に影響を与えていることを意味します。

どうして成績が伸びたのか、まではこの研究からはわかりません。「成績が伸びる生徒」に対しては、熱心に指導したからなのかもしれませんし、それとも期待されていることが生徒にも伝わって、自発的に勉強するようになったのかもしれません。

しかし、なんにせよ、「あの子はできるようになる」という一種の思い込みがプラスの効果を生み出したのは確かです。こどもと接する際に、「どうせできない」「やるだけ無駄だ」などと思うのではなく、「この子にはこういう面があるからもしかしたらうまくやれるかもしれないな」と考えてあげられれば、それだけでなにかが変わる可能性は大きくあります。

残念ながら、この実験は大人を対象にしたものではないので、部下や同僚、友人に対してピグマリオン効果が発揮されるかはわかりません。ぜひ、皆さん自身で試してみていただければと思います。

どうせ思い込むのなら

「あの人は○○だからきっとダメだろう」

というネガティブな思い込みより

「あの人は◇◇な良さがあるからきっとできるだろう」

というポジティブな思い込みを。

以上です。

Koara

苦手意識の影響力(Koara)

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突然ですが、みなさんは数学が得意ですか?

おそらく、数学を愛しているという方から、数字を見ただけで気分が悪くなるという方まで様々だと思います。

特に気分が悪くなってしまうという人は学校の定期テストなどは苦痛で仕方がなかったのではないでしょうか。

今回のお話は、そんな数学の点数を下げる原因になってしまうある理由についてお話します。(実は数学以外の話にも大いに応用できますので、何かしら苦手意識を持っているものがある人はご覧ください。)

女性は数学が不得意??

大学は文系と理系に分かれていますが、一般に理系は男性が多く、文系の特に文学部などは女性が多い印象です。もちろん、昔に比べれば理系に進む女性も増えてはいますが、それでも専攻によっては「クラスに女性が2、3人しかいない」ということもよくあるのではないかと思います。

ではどうしてここまで男女比が偏るのでしょうか?

もちろん文化的な背景や、そもそもの進学率の差など、原因はいろいろ考えられると思いますが、ここで取り上げたいのは「女性には数学が不得意な人が多いのではないか?」ということです。

実際、世間では数学について

「女性は男性より数学が不得意」

だと思われている節があります。この考え方がどこから出てきたのかはわかりません。本当に文系科目を好む女性のほうが多いのかもしれませんし、男性のほうが論理的だから理系科目に向いている、という意見もあるようです。(個人的には疑わしいですが笑)

今日ご紹介したいのは、この考えにまつわるとある実験です。

この実験はアメリカで行われたもので、アジア系アメリカ人の女性を対象にしています。まず、集団を三つのグループに分け、その後、それぞれに数学のテストを受けてもらいます。このテスト自体の内容は三つのグループで共通なのですが、事前に回答しているアンケートの質問が異なります。

一つ目のグループには「女性」であることを強く意識させるような質問を盛り込んでいます。例えば「女性の職業観」について問うなどですね。

二つ目のグループには「アジア人」であることを意識させる内容を入れます。これは「アジア人は数学が得意」というイメージを検証するためのものです。

そして最後のグループにはとくに「女性」も「アジア人」も意識させないような質問に答えてもらいます。

さて、では試験結果はどうなったと思いますか?

実は「アジア人を意識したグループ」が最も成績がよく、次いで「どちらも意識しなかったグループ」、最後に「女性を意識したグループ」という結果になりました。

気の持ちよう

 この実験結果が意味しているのは

「思い込みを捨てることによって試験の結果が変わりうる」

ということです。

「自分は女だから数学はダメだろうな・・・」ではなく、「自分は昔から計算とかも遅くなかったし、普通にやればできるんじゃないかな?」と考えるだけで、成績が変わってくる可能性があります。

そしてこれは数学だけに限った話ではありません

「日本人は英語が苦手」

「日本人は積極的に発言するのが苦手」

「僕はB型だから几帳面にはできない」

などなど、世の中にはこの手の苦手意識があふれています。

ですが、いったんそれらを忘れて、ポジティブな要因を考えてみることで、実際にパフォーマンスが変わるのです。

世の中、結局気の持ちようです。

少しずつでも「苦手意識」改革、してみませんか。

Koara

 

参考:, , ”Stereotype Susceptibility: Identity Salience and Shifts in Quantitative Performance”

意味のある差別化(Shin)

会社の経営戦略を考える際に、他社との差別化が重要視されますが、企業によっては、ホントに意味のある差別化になっているのか疑問です。

そもそも差別化とは、競合と比べて顧客を獲得するための方法であるため、「差別化するポイント=他社では補えない顧客のニーズをつかんでいる、かつ、その顧客のニーズが大きい」である必要があります。


都心部にあるコンビニAが、近くのコンビニBから顧客を奪うために飲み物を充実させたとします。

これが意味のある差別化になるためには、徒歩10分圏内がターゲットとして、その範囲に“飲み物に対する感度の高い顧客が多い”ことが条件となります。
飲み物の種類が増えるほど便利になるように思いますが、あまり気にしない顧客が大半じゃないですかね。
彼らからすると、コンビニAもBも“同じ”ようにしか見えません。


では、出来立てのお弁当が食べられるようになったらどうでしょう。

コンビニで昼食を買うビジネスマンは多いです。いつも冷めたパンやおにぎりを食べるのではなく、たまにはあったかくて美味しいお弁当を楽しみたいと考えますよね。既存のお弁当も、レンジでチンできますが、出来立てに比べると味が落ちます。
だからこそ、この差別化戦略には意味があり、顧客からするとコンビニAとBは“違っている”ように見えます。


でも、このような意味のある差別化を考えるのは非常に難しいのが現実。
だからこそ、安易に「うちは差別化できている」と考えてしまうのではなく、「本当に意味のある差別化になっているか?」を自問することが重要なんです。


以上です


Shin

休日を二種類にして、需要を分散(Shin)

先日、休日を使って、埼玉の「おふろcafe utatane」という施設に行きました。
ofurocafe-utatane.com

ここは、温泉、レストラン、漫画喫茶、ホテルの複合施設みたいな感じで、お客さんは館内着に着替えて一日中ゆったりできます。テレビ、マッサージチェア、パソコン、Wifi、遊び道具(人生ゲームなど)も整備されており、完全に人を堕落させるサービスです。
しかも、フリータイムで約1300円(飲食代は別)なので、非常にコスパが良いです。


ただ、1つ問題なのが、土日は混んでおり、座ってゆっくりする場所が少ないことです。しかも、大半の人が一日中同じ所でぐだぐだしているので、スペースが空くことは少ないです。


「それだけ需要があるなら、施設を拡大すればいいじゃん」と思いますが、おそらくここに、店舗型施設の難しい問題があるんでしょう。


それは、閑散期とピーク期の需要の違いです。

おそらくここの施設、平日の利用者はぐっと減ると思います。もちろん、高齢者、暇な学生、主婦層の需要があると思いますが、施設が一杯になることはないでしょう。となると、土日祝日のために施設を拡大することは、コストになりかねません。


これは、店舗型事業に共通する課題です。
お昼や夜には行列ができる飲食店も、朝や午後は人がまばらです。
ホテルも土日祝日以外は、需要が決して大きくはありません。最近は訪日外国人の需要もあって、閑散期も需要が見込めますが。
ディズニーやUSJは、平日も混んでいますが、土日祝日は異様な待ち時間が発生し、お客さんの不満がたまりやすいです。


で、平日と土日祝日でピーク期・閑散期が別れるタイプの店舗型事業は、政策によって解決できるのではと妄想しました。

それが、二種類の休日の導入です。企業によって、土日を休みにするのか、火水を休みにするのかで選べるといった感じです。

そうすることで、需要が分散され、お客さんの満足度は高まりますし、混雑を嫌っていた人の需要が増える可能性もあります。企業としても、土地や施設といった固定資産を有効活用できるので嬉しいです。

これは、非現実的な案かもしれませんが、想像するとちょっと面白いですね。
ピーク期の分散だけでなく、通勤ラッシュの緩和にも繋がりますし。

もちろんデメリットもあって、周りと休みの日程を合わせづらくなります。本末転倒ですね。(←おい)
でも、毎週末誰かと遊ぶわけでもないので、そういう時は、柔軟に休日をずらすことができればいいんじゃないですかね。


ただの妄想ですが、決して的はずれな案ではないと思ってます。

以上です。


Shin

ビジネスにおける成功法則?(Koara)

「成功する人がやっている生活習慣」

「成功する人は何を考えているのか?」

「成功する秘訣」

などといった本は時代を問わず人気です。電車の広告や本屋の店頭、ネット広告などで見かけたことがある人も多いと思います。

こういった本が人気になるのはわかります。誰だって失敗するよりは成功したいと思うでしょうし、そのためには成功者の話を聞くのは良いことのように思うでしょう。

しかし、ここに落とし穴があります。成功について学ぶために、「成功者の体験」や「成功者の法則」を聞くことがよいとは限りません。

一般にこういう本には二つのパターンがあります。成功した著者が自分の経験について語っているものと、著者が何人かの成功者に取材して、共通法則を見いだし、語っているものです。

しかし、どちらも成功者についてしか語られていません。なぜなら、失敗した人は本を出せないし、インタビューを受けられたりもしないからです。

そして、ここにこそ問題があります。成功した人の習慣が本当に成功につながるのかどうかは「失敗した人が同じ習慣を持っていないか」を調べなければわからないのです。

 

想像してみてください。もしもこういった本の中に

「僕は毎日水を飲んでいたから成功できたんだと思います!」

などというフレーズがあったら、みなさんは

「なるほど!じゃあ私も毎日水を飲もう!」

となりますか?・・・おそらく、ならないですよね?

「え、水・・・?で・・・?」

となる人が多いのではないでしょうか?では

「私は毎朝1時間早く起きて、自分のための勉強をしていました!」

というのはどうでしょう?おそらくこちらのほうが納得できる人が多いのではないでしょうか。

 この二つの違いはまさに納得のしやすさにあります。水はみんな普通に飲んでいるけど、早起きは確かに成功する人がやっていそうだな、ということです。

 

 しかし、早起きが本当に成功につながるかどうかは、成功している人や失敗している人のうち、実際に早起きしている人が何人いるのかに依存して決まります。

例えば、成功している人が100人、失敗している人が1000人いるとします。そして、その中で早起きしている人が、成功者で90人、失敗者で10人だとすると、確かに早起きと成功の間には関係がありそうですね。(あくまでも「ありそう」というだけで本当にあるかどうかは細かくデータを分析しなければわかりませんが)

しかし、もしも失敗者の中で早起きしている人が900人いるなら、早起きして成功する確率も失敗する確率も大して変わらないことになります。この場合「早起きは成功に必要」とはいえないですよね?

ですが実際に本を書くのはその100人なので、それらの本の中で「早起き」について多くの人が触れていると、本当に早起きに意味があるように感じてしまうのです。早起きしながらも失敗した900人のことについては触れられじまいです。

 

つまり、「失敗したひとだって同じようなことをしていたのではないか」という視点を持って読むことが大切です。

誤解していただきたくないのですが、成功体験・法則・習慣について語った本が役に立たないと言っているわけではありません。しかし、そういった本で語られていることを妄信するのは非常に危険です。

 ビジネス本に関するこの手の思い込みは様々な原因があるので、このブログでも何度か触れていきたいと思います。

 

Koara