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S&Kのブログ

世の中の思い込みを検証していくブログ

存在否定の具体例(Koara)

今回は前回の記事に絡めて、最近みた映画の話をしたいと思います。

前回は「他人を嫌う理由に『みんながそう言っているから』という固定観念を使ってしまう」ことやそれが引き起こす弊害について書きました。

今回、それを踏まえて紹介したいのは2015年公開の『あん』という映画です。昨年末に視聴したのですが、いろいろと考えさせられました。前回の記事で書いた考え方をまとめられたのも、この作品によるところが大きいです。

ここでは、簡単なあらすじと私が考えさせられたシーンについてだけお伝えしますので、詳しい情報はホームページを参考にしてください。

an-movie.com

この作品は、樹木希林さん演じる徳江さんというハンセン病の女性が、どら焼き屋の屋台で働き始めるところから始まります。アン作りの名人である徳江さんと屋台の雇われ店長は一緒にどら焼きを作り始め、お店は次第に繁盛しだします。しかし、徳江さんの病気のことがどこからか広まってしまい、客足も徐々に減っていき・・・、という展開です。

この中で、私が取り上げたいのは、徳江さんの病気のことを聞きつけたオーナーが徳江さんを解雇するよう店長に勧めるシーンです。

細かいセリフは覚えてませんが、この店長、決して直接的な言葉は口にしません。

ハンセン病の人は困るから、首にしてほしい」

「お客さんに知られたら大変だ」

などとは言わないのです。ただあいまいに

ハンセン病って移るらしいし・・・」

などと言うだけなのです。きちんと事実確認をしたわけでもないことを、「みんながそう言っているからそうなんだろう」という理由で告げているだけです。(ハンセン病は治療法が確立されている上に感染リスクは非常に低い病気です。)

これが前回の記事でお伝えした、相手に反論を許さずに存在否定をすることの具体例です。

あいまいな言い方は言う方からすれば楽ではありますが、言われる方からすると禁じ手のようなものです。

他人に何かを要求するときは、なるたけ自分なりの理由を見つけてからにしようと思わされた映画でした。

 

Koara

 

 

働き方改革に必要な考えの枠組み(Shin)

政府が推進している働き方改革について、思ったことをちょっと書きます。

労働時間に関連した企業のニュースは、これまでに色々ありました。

まずは、電通の事件
www.nikkei.com

次に、ヤフーの週休3日制導入検討
www.huffingtonpost.jp

他にも、ワタミの過労死自殺すき家のワンオペスタートトゥデイの1日6時間労働などなど。


で、これらのニュースを見て思ったことは、政府は業態によって違う仕掛けを作る必要があるということです。

個人的には、「BtoC、BtoB」×「固定資産大、固定資産少」で分けて考える必要があるかなと思いました。


1、BtoB
まず、BtoBは企業から案件を受注してサービスを提供します。具体的には、アプリの受注開発、広告代理店、コンサルなどです。こういった企業には納期が存在するわけで、自社で労働時間を調整しにくいんです。(※もちろん、納期に縛られない事業もありますが。)納期を遅くするとサービスの競争力が落ちるため、労働環境を犠牲にしてでも案件を獲得しに行く競合に売上を持っていかれてしまいます。交渉力は、お客さんの方が大きいんです。また、仮に1日6時間労働を導入して労働生産性でカバーしようにも、現実的には厳しく納期に間に合わなくなるのが目に見えています。
 
例外は、例えば日本電産です。2020年までに残業時間ゼロを目指していますが、日本電産ほどの競争優位性があれば、納期に関する交渉力も上がるので可能です。(電通は、マスメディア系では絶対的な交渉力を持ちますが、高橋さんが所属していたインターネット広告系の部署は競争が激しい業界です。)
 
まとめると、競争力が高い一部の企業、納期が存在しないタイプの企業を除いて、BtoBの企業は自ら労働時間を改善することが難しいと言えます。
 
解決策としては、過度な労働環境悪化に繋がらない条件で案件を受注できるように、企業を保護する制度を作るとかでしょうか。でも、外国企業と比べた競争力が落ちますね。。。んー、そうなると、できる限り労働生産性を高めるか、適正な規模の案件を受注するしかないのかもしれません。


2、BtoC×固定資産少
BtoCは、消費者に直接商品やサービスを提供する業態ですが、これは、固定資産(店舗、車両など)の割合の大きさで区分する必要があります。

まず、BtoCの中でも「固定資産少」のタイプ。労働時間改革に向けて、先陣を切っているヤフーやスタートトゥデイが含まれます。このグループは、サービスを効率よく消費者に届ける仕組みを作ることで、ホワイト企業になりやすいです。
 
なので、「BtoC×固定資産少」の業界は、あまり心配する必要がないですね。特に、知的産業が多い業界なので、労働時間が売上に結び付くとは限らないですし。


3、BtoC×固定資産大
BtoCで、問題なのは「固定資産大」のタイプです。問題になった、すき家ワタミの他に、タクシー業界、ホテル業界、小売業界などが含まれます。このグループは、放っておいても、建物、車両、人に関する費用が膨大にかかるので、利益をあげるためには営業時間をのばすことで資産をフル稼働する必要があります。その上、この業界は人手不足の影響をもろに受け、それが労働環境を悪化させます。

ただし、「営業時間をのばす=労働時間をのばす」は必ずしも成立せず、自動化や人材配置等で対処できる面もあります。特に将来的には、自動運転や自動レストランの実現も見えているので、希望大です。

まとめると、「BtoC×固定資産大」の業界は、労働環境が悪化しやすいが自社での改善余地もあるといったところでしょうか。


4、まとめ
以上をまとめると、次のような表になります。
f:id:scholarcuration:20170120233658p:plain

単純化した分析ですけど、議論の基本的な枠組みとして使えるのではないでしょうか。以上です。

Shin

嫌いにひそむ固定観念(Koara)

前回の記事では「相手を嫌うことと相手の存在を否定することは違うことである」ということについてお伝えしました。

それにつづけて今回は、「嫌い」という感情自体にひそむ固定観念について語りたいと思います。

 

人が誰かを嫌いになるときには、いろいろな理由が考えられます。

「性格が気に入らない」

「昔、いじわるをされたから嫌い」

「初めて会ったときから気に入らなかった」

などなどです。その中で私が問題ではないかと思っているのは、

「みんながそう言っているから」

「世間でそう思われているから」

というのを理由にするものです。

この場合、「嫌い」という判断を下しているのは自分ではありません。自分はただ周りの意見に流されているだけで、何らかの事実や信念にもとづいて嫌いだと決めているわけではないのです。ですので、嫌われている相手には反論や議論をする余地が残されていません。

なぜなら

「どうして私が嫌いなのですか?」

という問いに対して

「だってみんながそう言っているから」

とだけ答えられても、話し合いが進みません。

「昔、こういうことをされたから」

「あなたのこういう性格が気に入らない」

などと言ってもらえれば、改善したり、落ちどころを探したりできますが、

「自分にはわからないけど、みんながそう言っているから」

とだけ言われても、どうしていいのかわかりません。

なにより、相手を嫌う理由を他人のせいにするのは卑怯ではないでしょうか。相手に反論することを許さず、「嫌い」という感情だけをぶつけるのはあまりにも一方的です。仮に

「みんながそう言っているから」

というのを理由にしたいのだとすれば

「私はみんなの意見に従いたい。だからみんなが言っているほうにする」

と言ってもらえれば

「あなたはどうしてみんなの意見に従いたいのですか?」

と議論を進められます。

「みんなが言っていることだから正しい」

というのは固定観念にすぎません。みんなが言っているということを免罪符にするのは楽かもしれませんが、決して議論の発展にはつながらないのです。

 

次回は私が最近、見た映画からこの考えについて具体的に説明しようと思います。

 

Koara

新しいテクノロジーを導入すればいいという風潮(Shin)

最近の自動販売機は、かなり進化しています。
特に、タッチパネル式の自動販売機って、よく見かけますね。でも、あれって本当に必要でしょうか。
 
ボタン式のタイプと比べて、購入時の手間が減るわけではないですし、購買意欲が増すわけでもないです。
タッチパネル式にした分だけ、無駄なコストがかかっています。
 
 
このような事例は、他にもあります。
 
 
ユニクロが、首都圏のネット通販で即日配送できるように準備しているそうです。
 
服が即日配送されるって、なんか便利そうですね。
でも、本当に効果はあるんでしょうか。
特に、「ユニクロの商品を、数日後ではなく即日に受け取ることでメリットを感じる人はいるのか。」という点が問題です。
 
例えば、飲食や雑貨であれば即日配達の価値は分かりやすいです。
・今晩のおかずの材料を買いに行く暇がない人
・急な飲み会に必要なお酒やつまみを調達したい人
・レポート課題、仕事に必要な本をすぐ取り寄せたい人
などです。
 
では、服を即日配達してほしい人って、どれくらいいるんでしょうか。
まだ、パーティなど良い服を着ていかないといけない予定が急に決まったケースなら分かります。
でも、ユニクロの商品は、いわば”生活必需品”なんです。
 
即日配送を可能にするということは、それだけ物流システムに投資を行わないといけません。
しかも、昨今は配達人員の不足のため、配送費が高くつきます。
このようなコストを払ってまでも、即日配送は目指すべきものなんでしょうか。
(何か別の目的があって導入するということなら、考えられなくもないですが。)
 
 
新しい技術の導入には、何かしらの目的が必要です。
また、その目的を達成するための最適な手段が新しい技術の導入である必要があります。
自動販売機にタッチパネルを導入すること、ユニクロが即日配送を目指すこと。私は、これらが本当に必要な取り組みだとは思いません。
 
みなさんは、いかがでしょうか。
 
Shin

嫌い≠存在否定(Koara)

1. 好き嫌いを伝えるのは難しい?

私が固定観念をくずしていくことで特に訴えたいのは

「『相手を嫌う』ということは『相手を否定する』こととは違う」

ということです。

そもそも私は昔から

「好き嫌いを表現するのが、苦手な人が多いなぁ」

と感じていました。

特に「他人」に対して、「嫌い」だという感情を伝えるのは苦手な人が多いのではないでしょうか?みなさんは最近誰かに

「あなたが嫌い」

「おまえが気に入らない」

などと伝えたことはありますか?・・・ここまでストレートに言える人はおそらくほとんどいないでしょうね。私も無理ですし、ここまでは必要ないと思います。では

「君のこういう性格は好きじゃない」

「あなたのこういう所は直してほしい」

ぐらいならばどうでしょう?・・・おそらくこの程度でも、伝えたことがある人は少数派なのではないかと思います。

裏で

「あの人ってこうだよね」

といった話はできても、本人に直接伝えるのはなかなかできないですよね。仮に、自分が被害を受けていたとしてもはっきり伝えるのは難しいという人が多いと思います。

2. なぜ難しいのか

ではどうして伝えられないのでしょうか?

伝えにくい理由について、周りの人に聞いてみたところ、

「嫌いなところを伝えて嫌われるのが怖い

「好きなところを伝えるのに比べてハードルが高い

相手を否定しているようで嫌だ

という意見が聞かれました。私も基本的には共感できますし、みなさんも程度の差こそあれ、同じような感情を持っているのではないかと思います。

しかし、私が最も違和感を持っているのもここなのです。周りの人の意見を聞いていると、まるで好き嫌いを伝えるのは悪いことのようです。ですが、本当にそうでしょうか?人間である以上、好きなものがあれば嫌いなものがあるのも当たり前ではないでしょうか?

私は好き嫌いはあくまで個性の一つであって、否定されなければならないものではないと思っています。みんながみんな、嫌いなものを持たず、すべてを受け入れるような世界は、平和なのかもしれませんが、どこかいびつで気持ち悪いものに感じてしまうのです。

好き嫌いがあるのは当たり前のこと。問題は私たちが嫌いになったり、嫌われたりすることにあまりにも敏感すぎることにあるのではないでしょうか?

そして、そうなってしまう理由は冒頭で述べた

「『相手を嫌う』ということは『相手を否定する』こととは違う」

というのを誤解している人が多いことにあると考えています。

例えば、とある小学校でいじめが起こっているとします。いじめの原因はさまざまだと思いますが、仮にここでは性格の不一致だとします。クラスのガキ大将的存在であるA君が、クラスメイトのB君の性格にどうしても気に入らないことがある、というようなパターンです。

この場合、別にA君とB君のどちらが悪いとは言えません。A君にとってB君の性格はルーズすぎたり、あるいは真面目すぎたりといった合わない部分があるのでしょうが、それはおそらくB君にとっても同じことでしょう。

しかし、お互いに対して、嫌いという感情があること自体が悪いとは私は思いません。上でも述べた通り、それはあくまで個性の一つであり、A君、B君にそれぞれの性格がある以上、仕方のないことだと思うからです。

ところがいじめというのは、「嫌い」を飛び越えた感情表現です。「死ね」などといった相手の存在を否定する言葉や行為を用いて、相手の人格を完全に消滅させようとしてしまいます。

私が危険だと思うのはこのように、嫌いという感情が相手の存在を否定することにつながってしまう時があることです。嫌いだからといって相手の存在を否定するのではなく、相手には相手の人生や、価値観、考え方があるのだ、ということを理解した上で、嫌いになればいいのです。

「あいつは嫌いだ。いなくなってしまえばいいのに!」

ではなく

「あいつはこういう考え方をしているんだろうが、それはぼくは気に入らない」

となれれば、相手を否定せずにすむのではないでしょうか。

相手に対する尊重があれば、嫌いな部分の伝え方もおのずと変わってくるでしょうし、受け手側もより素直に聞けるようになるはずです。そうした変化がゆくゆくは根本的な人間関係の改善につながるのではないかと思います。

Koara

固定観念について(Shin)

第一弾として、“固定観念を覆すこと”の価値について考えていることを書きます。

 

PayPal創業者のピーター・ティールは、問いかけます。  

「世界に関する命題のうち、多くの人が真でないとしているが、君が真だと考えているものは何か?」  (ピーター・ティール『ZERO to ONE』より)

“Tell us one thing about the world that you strongly believe is true, but that most people think is false. If this belief shapes the way you live, tell us how.”

  

これは、若者の起業支援を目的に彼が行っているプログラムの応募書類の質問です。

ティールは、競争よりも独占を好みます。競争によって疲弊するのではなく、まだ誰もが価値を認めていない問題に取り組み、そこで圧倒的に独占できる事業を行うことに真の価値を見出しています。

 

既存の価値観に従って生きる。こういう生き方も間違ってはいないでしょう。ただ、面白みに欠けると思います。

逆張りの価値観を持ち、それを成し遂げるにはどうすればいいかを突き詰めて考え実行する。これが、私が理想とする生き方です。

 

でも、逆張りの生き方はリスクが大きいのでは?」と考える人も多いのではないでしょうか。

確かに、難しい前提に立つほど乗り越えるべき壁は多くなるでしょう。

しかし、逆張りだからこそ良い面もあるのではと考えています。

 

ニコニコ動画で有名なドワンゴ川上量生さんは、こう語っています。  

「間違った前提に立っているので、たくさんの理屈が必要になる。ただ、論理の量が多ければ多いほど現実を正確にエミュレートできるようになる。」

(川上量生『ニコニコ哲学』より 一部文言修正)

  

逆張りの価値観を持って生きようとすると、立ちはだかる壁が多く、また、見えやすいため、乗り越えるために必要な論理を嫌でも考えるようになります。その分、うまくリスクを回避することができるようになるのです。

“正しい”前提に立っていることに甘んじている方が、突然のリスクには弱いのではないでしょうか。

  

固定観念を覆すこと」とは、それ自体に価値があり、また、リスクを回避して未来を見通しやすくするための処世術なのではと思います。

 

以上です。

 

Shin

なぜこのブログを始めたのか(Shin&Koara)

「最近の若い奴はなってない」

「大企業は安定している」

生活保護を受けている人は努力不足だ」

などなど、世の中にはちゃんと検証されているのか疑わしい思い込みのようなものが蔓延していないでしょうか。

これらは「なんとなくみんなそう感じているから」「そういうものだと周りの人が言っているから」という程度の認識で広まっています。しかし、その影響は決して小さいものではなく、多くの人が、不当な扱いを受けたり、安易に他人を否定したり、間違った道を選んでしまったりしています。

さねて、いじめや人種差別、LGBT、キャリア選択など、こういった「空気感」のようなものが影響を及ぼしている領域は多岐にわたります。

私たち二人は、そういった固定観念に対して異議を唱えたいと思い、このブログを始めました。

このブログでは様々な固定観念を、しっかりと検証したいと考えています。もちろんその中で、世間で言われているようなことが本当に正しかったというケースも出てくると思います。それでも、事実がどこにあるのか、あるいは、どういった基準で判断すればいいのかを特定することには、大きな価値があると私たちは信じています。 

ですが、最終的に判断するのは、あくまで読者のみなさん一人ひとりです。 

私たちは、自分たちも含め、みなさんの意見や議論が、きちんとした論理や事実に基づいたものになることで、少しずつでも世界を変えていきたいと思っています。

                                                                                                                        Shin&Koara